ライダープロフィール
LOOK JAPAN 代表 岡部です。
1964年4月12日生まれの62歳です。日頃からトレーニングを積み、今回の富士ヒルクライムに向けて身体と機材を極限まで仕上げてきました。
- 身長/体重: 177cm / 69kg
- 推定VO2 MAX: 51(Garmin Edge 540による計測)
- FTP / PWR: 239W / 約3.46W/kg
富士ヒル仕様:愛車「LOOK 785 HUEZ 2 RS」
今回の決戦バイクは、LOOK試乗最軽量「LOOK 785 HUEZ 2 RS」。変速性能を妥協しないシマノ純正スプロケットの選択や、細部へのこだわりを詰め込み、実測重量6.6kgに仕上げました。
以前試したサードパーティ製のカセットスプロケットは、シマノ純正(CS-R9200)に比べて変速性能が劣る印象でした。富士ヒルでは、こまめな変速がタイム短縮の鍵を握るため、今回は確実に変速が決まるシマノ純正(11-30T)へ換装して挑んでいます。

| スペック | |
| フレーム | LOOK 785 HUEZ 2 RS |
| ハンドル/ステム | LOOK COMBO AERO(ハンドル400mm / ステム100mm)+専用マウント |
| メインコンポーネント | SHIMANO DURA-ACE R9270 Di2 |
| クランク周り | SRAM RED(170mm)× SIGEYI AXO SLパワーメーター SHIMANO FC-R9200 チェーンリング(50×34T) |
| スプロケット | SHIMANO DURA-ACE CS-R9200(11-30T) |
| BB | CeramicSpeed Coated BB T47 DUB |
| ホイール | ENVE SES 4.5 PRO |
| タイヤ | Continental GP5000 TT TR(25C)+ Muc-Off シーラント(各50ml) |
| サドル/ポスト | Selle Italia SLR RACING REPLICA S3 ROVAL ALPINIST(350mm / 60mmカット) |
| その他 | LOOK カーボンボトルケージ×1、KEO BLADE CERAMIC TIペダル、OGK 軽量バーテープ |

富士ヒルのために投入した「4つの新機材」
① ホイール&タイヤ:ENVE SES 4.5 PRO × Continental GP5000 TT TR(25C)
UAEチームエミレーツが実際のレースでも使用する、まさに最強の組み合わせ。 当初予定していた「ENVE SES レースデイタイヤ」や「GP5000 TT TRの28C」は、富士ヒル特需による国内在庫切れで入手不可能でした。
しかし、手持ちの28S TRを「SES 4.5 PRO(内幅23.5mm)」に装着すると実測31mm幅になった経験から、「太めのコンチネンタルなら、フックレス対応かつ25Cでもいけるのでは?」と自己判断で購入。結果、4.5気圧充填で実測28.4mm幅となり、見事に適正範囲に収まりました。
これにより、タイヤ前後で120gの軽量化(280g→220g)に成功しています。

② サドル&シートポスト:Selle Italia SLR RACING REPLICA × ROVAL ALPINIST
サドルはパッド付きでありながら驚異の実測110g。シートポストは、信頼性を最優先に大手メーカー製で最軽量を誇る「ROVAL ALPINIST」を選択しました。快適性・固定力ともに全く問題なく、安心して大舞台に挑めるスペックです。
③ シューズ:GIRO EMPIRE SLX II
GIROのラインナップで最軽量を誇る紐締めシューズ。ダイヤル式に比べて圧力が全体に分散されるため、足幅が広い私の足にベストフィットします。本番前に50kmほどのテストライドのみでしたが、しなやかなカーボンソールとアッパーのおかげで痛みは皆無。前作よりつま先の補強が改良され、前輪と接触しても表皮が剥がれません。 さらに特筆すべきは、クリートの調整幅。市場で最もクリート位置を浅く(深く)調整できる仕様のため、母指球が前寄りでスペシャライズドのシューズでは位置が出しきれなかった私にとって、まさに救世主となる一足です。

④ ヘルメット:GIRO ARIES SPHERICAL AF(アジアンフィット)
後頭部が大きく左右非対称な私の頭は、ヘルメットが斜めに傾いてしまうのが長年の悩みでした。しかし、この「アリーズ」はMIPS構造とアジアンフィットの恩恵で完全に頭へフィット。傾くことなくスタイリッシュに被れる、最高の着用感です。OGKのフレックスエアーと同等の通気性を持ちながら、高いエアロ効果も兼ね備えています。

【レースレポート】昨年の自分を超える!戦略的なペース配分と機材のシナジー

スタート〜一合目:徹底したパワー管理と空力ハンドルの恩恵
第4ウェーブの3番目グループからスタート。約1ヶ月間、ロングライドなしでの参戦となったため、リアルスタートから料金所までの急勾配区間は、PWR 4倍を超えないようケイデンス重視で慎重に走りました。 個人的に一番きついと感じる一合目を過ぎ、勾配が緩んだところで「LOOK COMBO AEROバー」の本領を発揮。ケーブルフル内装の優れた空力性能により、体感よりも低いパワーでスピードを維持していくことができました。
中盤(大沢駐車場まで):スムーズな転がりで「腰痛」を克服
目まぐるしく変化する勾配に対して、「ENVE SES 4.5 PRO」と「GP5000 TT TR」のコンビネーションは極めてスムーズ。つい軽いギアに逃げて休みたくなる場面でも、しっかりとギアを掛けて踏み込んでいけます。
例年ならこの辺りで腰痛が発生するのですが、しなやかな785 HUEZ 2 RSのフレームとホイールの相乗効果のおかげで、やや低めのケイデンスでも腰に負担をかけず、あっという間に大沢駐車場を通過しました。
後半〜ゴール:濃霧の激坂をしのぎ、全力を出し切る
後半に入ると霧が立ち込め、視界が悪化。度々現れる山岳賞(KOM)区間前後の急勾配も、剛性の高いフロントフォークと、適度なウィップ感を持つBB周辺の剛性バランスのおかげで、大きく失速することなく耐え抜きます。
最後の難所である奥庭の急勾配区間は、その後の下りで失速しないようパワーを3.5倍前後にコントロール。続くダウンヒルと平坦区間は下ハンドルを握り、空力に優れたバイクとホイールの恩恵を最大限に活かして全力でもがきます。
ゴール前のストレートは、長く、きつく、そして酸素が薄いため思うようにパワーが出ません。しかし、失速を最小限に抑えるよう一定のテンポを刻み、すべての力を出し切ってフィニッシュラインを駆け抜けました。
【レース結果】
- タイム: 1時間26分34秒(★昨年から48秒短縮で記録更新!)
- 平均心拍数: 153 bpm(最大 160 bpm)
- 平均ケイデンス: 78 rpm
- 平均パワー / NP: 211W / 216W
昨年の平均パワー(214W)よりも低いパワー(211W)であるにもかかわらず、タイムを48秒も短縮することができました。これこそ機材の進化と選択がもたらした勝利です。

機材インプレッション:パーツの相乗効果がもたらす「極上の乗り味」
路面を滑走するような、高弾性カーボンの応答性
「LOOK 785 HUEZ 2 RS」に採用されている60トン高弾性カーボンは、ペダリング入力に対する「戻り」が非常に早く、高いケイデンスの維持を容易にしてくれます。
また、「ENVE SES 4.5 PRO」と「コンチネンタル GP5000 TT TR 25C」の組み合わせは、緩斜面でのスムーズさが圧倒的です。ケイデンス75前後でしっかりとトルクをかけるペダリングが自然と行えました。練習量が少なかったにもかかわらず、腰痛を起こさずに緩斜面区間をこなせたことが、今回のタイム短縮の最大の要因です。
セラミックベアリングがもたらす「マージナル・ゲイン」
今回の仕様では、以下の箇所に高品質なセラミックベアリングを採用しています。
- ENVE SES 4.5 PRO ホイール
- CeramicSpeed Coated T47 DUB ボトムブラケット
- LOOK KEO BLADE TI CERAMIC ペダル
SNSなどでは「セラミックベアリングの抵抗削減効果」を疑問視する声も一部で見られますが、私の見解は異なります。人間のセンサーは非常に優秀です。滑らかな回転、タイヤのコンパウンド特性、フレームやホイールの心地よいしなりなど、機材による微小な変化を敏感に感じ取ることができます。 事実、試乗されたお客様からも、そのスムーズさが生み出す「極上の乗り味」を絶賛いただくことが非常に多いです。一つひとつは小さな効果(マージナル・ゲイン)かもしれませんが、それらを積み重ねることで、確実に大きなアドバンテージへと繋がります。
圧倒的なダウンヒル性能
レースを終えた後の下山時、その素晴らしさはさらに際立ちました。 しなやかな「ENVE SES 4.5 PRO」と、それに抜群にマッチする「785 HUEZ 2 RS」の組み合わせは、決して過剰な剛性ではなく、キビキビとしたハンドリングと高弾性カーボン特有の優れた振動吸収性を発揮。まさに「極上のダウンヒル」を堪能させてくれました。
私も以前はメンテナンス性の不安からチューブレス否定派でしたが、今では「この極上な乗り味を経験しないのは人生の損失だ」と心から思っています。例えるなら、私の愛車であるスバル・レヴォーグに、ブリヂストンの最高峰タイヤ「REGNO GR-XⅢ」を履かせたときのような、圧倒的にラグジュアリーなプレミアム感です。
まとめ
ホビーレーサーからシリアスレーサーまで、あらゆるライダーにとって、優れた機材を使用することは単なるタイム短縮だけにとどまりません。「疲労の低減」、そして何よりも「安全性の向上」に直結する、非常に有効で価値のある投資であると確信しています。
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