785 HUEZ 2試乗インプレッション:大人のヒルクライマーに最適な「走りの軽さ」と「高い実用性」を徹底解剖

こんにちは。LOOK JAPANの岡部です。
2026 NEW COLORが登場した軽量オールラウンダー「785 HUEZ 2(ヒュエズ 2)」の試乗インプレッションをお届けします。

フランス本社のプロダクトマネージャーから直接開発コンセプトを伺う機会があり、その内容を踏まえつつ、実際に100km×2回のハードなライドで乗って見えてきた、このバイクの真価をレポートします。

本国プロダクトマネージャーが語る「785 HUEZ 2」4つの進化

一般サイクリストのための設計 トッププロのためだけでなく、ヒルクライムやグランフォンドを愛するサイクリストに向けて開発。適度な剛性感と、セミケーブル内装(LS3ステム)による空力性能の向上を両立しています。
(※LS3ステム下にブレーキケーブル内装カバーが装着されるため、コラムスタックは通常より10mm高く計算する必要があります)

HMカーボンの贅沢な配置 フレーム全体の8割以上にHM(ハイモジュラス)カーボンを使用。山岳コースに特化したクライミングジオメトリへ適正化されています。

「軽さ=走りの良さ」ではないという哲学 「もっと軽いバイクを創ることは技術的に可能だが、薄肉のチューブは脆く、長期の使用や転倒時のリスクが高まる」という思想のもと、長期間にわたって適度な剛性を維持できる耐久性と安全性を最優先しています。

高いパーツ互換性 「TOKEN C-BOX」ヘッドパーツシステムを採用。ENVEやCONTROLTECHなど、A-BOX対応の他社製軽量コックピットへの変更も容易で、さらなる軽量化の拡張性を残しています。

重量・ディテール:実測値から見える実直なモノづくり

今回テストしたパーツ付きフレームの実測重量は以下の通りです。

  • ホワイト(XSサイズ): フレーム 1,120g / フォーク 415g
  • ブラック(Sサイズ): フレーム 1,065g / フォーク 400g
  • ホワイト(Mサイズ): フレーム 1,160g(シートクランプ等小物込)/ フォーク 425g(コラム未カット)

未塗装Mサイズのメーカー公表値(980g / 390g)から逆算しても、塗装・小物込みでほぼ正確な値が出ており、LOOKのカタログ値の誠実さが伺えます。また、塗膜の関係でブラックの方が少々軽量に仕上がっています。

前作「785 HUEZ RS(PF86仕様・Sサイズ)」がホワイトで約1,200gだったことを考えると、ヘッド周辺やチェーンステーをしっかりと強化しつつも、確実に軽量化に成功しています。

現場目線の嬉しいアップデート

メンテナンス性: マット仕上げのホワイトは一見デリケートですが、粒子が細かい上質な塗装のため、中性洗剤などで拭くだけで簡単に汚れが落ちます。

メカニック目線: 右BB前方に「シマノ製パワーメーター用マグネット」を貼り付けるための専用のくぼみが設けられており、現場(ショップやライダー)からのフィードバックが活きています。

テストバイクのスペック(ペダル込み:7.12kg)

今回は以下の「実戦的かつ贅沢な仕様」で組み上げました。特別な軽量マニア向けパーツを使わずに、この重量に収まるのは優秀です。

  • フレーム: LOOK 785 HUEZ 2(ホワイト / Mサイズ)
  • コンポーネント: SHIMANO DURA-ACE R9250(クランク:170mm 50/34T パワーメーター付 / スプロケット:11-30T)
  • BB: WISHBONE T47
  • ハンドル/シートポスト: LOOK LS1
  • サドル: Sella Italia SLR BOOST KIT CARBONIO SUPERFLOW
  • ホイール: ROVAL ALPINIST CLX
  • タイヤ: PIRELLI P ZERO TT + TPUチューブ
  • ステム: 純正LS3ステム(※100mmで197gとやや重めですが、デザインの一体感は抜群です)

【重量測定結果】

  • ペダルなし重量:6.87kg
  • フル装備重量:7.12kg (KeoブレードセラミックTiペダル、LOOKカーボンケージ2個、Garminマウント含む)

(参考:ホイールをCORIMA 32mm MCC WS チューブラーに変えると7.29kg / SHIMANO WH-R9270-C36-TL+ミシュラン POWER CUP TLに変えると7.58kg)

実走インプレッション:大人の脚に優しい「タメ」と、キレのある登坂力

テスタープロフィール

  • 年齢: 62歳
  • 体格: 身長177.5cm / 体重69kg / サドル高735mm
  • 走力: FTP 246W / VO2 MAX 60

この仕様で、埼玉県特有の強風が吹き荒れる中、100kmのライドを2回(各TSS 250、獲得標高約1,000m)実施しました。まず、LS3ステムとC-BOXによるセミ内装システムは外観が非常にスマート。オーソドックスで美しい細身のフレームデザインと相まって、乗る前から所有欲を満たしてくれます。

平坦・強風下での安定性

風速10mを超えるような暴風の中、しっかりトルクを掛けないと進まない状況でしたが、ディスクブレーキ専用設計に最適化されたジオメトリのおかげで、ハンドリングの安定性は極めて高いです。 また、剛性がガチガチではないため、向かい風の平坦路でも脚への跳ね返りが少なく、疲労が最小限に抑えられるのを実感しました。
フラッグシップの「795 BLADE 2 RS」のような圧倒的な空力性能と比べると、ハンドル周りのケーブル露出分の抵抗は感じますが、風が弱まればデメリットになるほどではありません。

奥武蔵・一本杉峠での「登坂性能」

急勾配が続く一本杉峠の登りでは、このバイクの美点が光りました。フロントフォークの剛性が高く、突っ張り棒のようにしっかりと荷重を受け止めてくれるため、体重の4倍前後(約280W)でパワーをかけてもヨレずにスムーズに登坂できます。

BB周辺には適度な「タメ(ウィップ)」があり、踏み込んだパワーを優しく受け止めて推進力に変えてくれるため、VO2MAXゾーンの苦しい局面でもペース維持が非常に楽です。

猿岩線での「低ケイデンス・高負荷テスト」

2回目のライドではさらにハードな猿岩線へ。勾配がきつくなる区間で、ケイデンス60前後のローギアで「4倍前後のハイパワー」をじっくり踏み込んでいくような状況でも、フレームが負けることなく耐えてくれました。おかげで、その後の緩斜面でも脚を残すことができ、結果的にトータルの登坂タイムを縮める走りが可能です。 ヒルクライム用に絶妙にチューニングされた剛性バランスは、確実に大人のサイクリストの体力を温存させてくれます。

軽快なハンドリングとダウンヒル

ハンドリングは軽快そのものです。ハイスピードなダウンヒルでは重戦車のように安定する「795 BLADE 2 RS」に分がありますが、つづら折りが連続する日本のタイトな峠のダウンヒルでは、軽量スポーツカーのように狙ったラインへ機敏に旋回できます。

フォークの剛性が高い分、路面からのコツコツとした振動は伝わりますが、それは嫌な硬さではなく、正確な「ロードインフォメーション」として伝わってきます。BB位置の低重心化の効果も相まって、荒れたコーナーでも安心して飛び込んでいくことができました。

まとめ: レースをしないサイクリストへの「破格の最適解」

フラッグシップである「795 BLADE 2 RS」は、最高の素材と空力技術を詰め込んだ「とにかく速く走るためのレース機材」です。それに対し、この「785 HUEZ 2」は、山岳コースや日本の峠のアップダウンを最高に楽しむために特化したバイクと言えます。

795と比べると完成車重量で100gほどの増加に留まりながら、価格は約半額。(しかも専用LS3ステムが標準付属します)。エアロ効果が最優先される平坦レースに出るのでなければ、この価格でこの性能を手に入れられるのは、まさに破格と言っていいでしょう。

旧モデルの785 HUEZ RSと比較しても、軽量化はもちろん、登坂力を含めた「走りの質感」は大きく向上しています。それでいて価格を抑えているため、他社の同価格帯のカーボンフレームと比較しても、頭一つ抜けたパフォーマンスを誇っています。

「富士ヒル」や「乗鞍」といった大会での自己ベスト更新を目標にする方、あるいは週末に奥武蔵などの山岳ロングライドを快適に、かつ速く楽しみたいサイクリストにとって、これ以上ない最適な相棒になるはずです。

改めて、「ただ軽いことだけが、優れたバイクの条件ではない」というLOOKの真摯なモノづくりを再認識させてくれる素晴らしい一台でした。

店頭でのサイズ選びやパーツ構成のご相談など、ぜひお気軽に岡部までお声がけください!

※文中のフィーリングはあくまでスタッフ個人の感想ですが、みなさまのバイク選び・フレーム選びの参考になれば幸いです。

¥506,000 (税込)